【活字ではその現実を】

知るには正確とは言い切れず、また、言葉も然りだと思います。
 
しかし、ある程度の現実を知るコト、自身を誤った道に進ませない為にも、必要な情報を手に入れなければならないのではないでしょうか。
 
 
っつーことで、もう10年ぶりくらいになると思うけど、読み返しました。
 
 
 
『新版・悪魔の飽食(森村誠一)』
asin:4041365651
ttp://www.morimuraseiichi.com/list/html/096.html
 
 
 
当時読んだのは新版ではなかったのですが、わざわざ探すのも面倒だったので、新版を購入しました。
どうせ読んだ記憶もほとんどないくらいだったし、ただ、731部隊についてもう一度知っておきたかった、というのが正解かもしれない。
暫く活字を追うこともなかったのも手伝って、スムーズに読破しました。
 
懐かしい、という気持ちにはなれず、かといって当時感じた例えようのない恐怖感にかられるコトもなかったのは残念でした。
ただひたすらに残酷な真実を脳裏に焼き付ける、という作業だったような気もします。
それは歳をとり感覚が鈍った、というよりもむしろ、残酷な事件を見続けて成長し、新たな刺激を求める犯罪者のそれと同じなのかもしれない、と思うと、恐ろしい。
新しい情報を持っていたい、知られていない情報を持っていたい。
知りたい、という欲求は果てしなく広がり、それは場合によっては破滅を辿るコトになるのかと思うと恐ろしくて仕方がありません。
 
しかし、きっと一度は読んでおかなければならない本だと思っています。
とても残酷な内容ですが、もしも、誰かに
〝どうしても読んでおきたい本は〟
と聞かれたら、この本か、銀河鉄道の夜を勧めています。
希にドグラ・マグラを勧めますが。
 
数カ所にわたり、著者の考えに賛同しかねる部分もありますし、それが本当に事実なのかはわかりません。
人の記憶は曖昧ですし、元々極秘とされていたものがこれだけの内容になれば、当然捏造などがあっても不思議ではありません。
しかし、歴史的な資料を読むきっかけとして興味深い内容だと思います。
 
 
なんか、久々に本を読んだけど、また沢山の活字を追ってみたくなりました。